2019.12.16
イスラエルには、キブツKibbutzという共同で暮らしている集団があるのをご存知ですか?
1900年の初めより、世界各地で迫害されたユダヤ人が現在のイスラエルの地にたどり着き、生産的自力労働、集団責任、身分の平等、機会均等という4大原則に基づく集団生活を始めました。子供の養育、教育も共同体全体の責任で行います。イスラエルに250ほどあるキブツですが、いまもまだ共同財産、共同責任のキブツは40ぐらいで、他は1990年代から財産の私有と給与制、家族単位での子育てへと転換していきました。
今回、キブツで生まれ育ち、現在は別のキブツで生活しているHagarさんに、HITOMOJI PROJECTに参加していただきました。
Hagar(ハガール)さんは、5人の子供さん、10人のお孫さんがいます。10年前に旦那さんが亡くなり一人暮らし。40年間キブツの中の幼稚園から高校までの先生をされて、そのあとは図書館で働いていました。いまは1番小さいお孫さんが大きくなるまでは仕事はしないそうです。
Hagarさんのいたキブツは、14年前にキブツ内で対立があり、70%の人が体制を変えたいということで変わりました。以前のキブツはお金も責任もキブツにあり、安心感があったそうですが、
やりたいこと、好きなことができなかったと言っておられました。
いまは、本を読んだり、コーラス隊で歌をうたっているとき、自分の時間を過ごしているときが幸せで、流れるままに生きていきたい。
尊敬する人は亡くなった旦那さんで、人のことをジャッジしなかった、みんな良い人だと言っていたから。と。
イスラエルは建国70年余り、Hagarさんはその激動の歴史とともに生きてこられた1人。イスラエルはずっと戦争していて良くない、病院や工事など他にしなければならないことが多く、変わらなければならないと言っておられました。
赤いブーツと赤いスカーフで登場されすごくオシャレ。でも静かに話して、そしてチャーミングで。質問に真摯に答えてくださり感謝しています。
ありがとうございました。
Thank you TIRZA SELA(Japanese calligraphy center Israel)
photo by Irit, MIchal Chitayat