川尾朋子個展「眩暈memai」 (マキイマサルファインアーツ/東京)

川尾朋子個展「眩暈memai」に寄せて
宗像克元(書道編集者)

心と身体は、決して分離することはできない。心が病むとき、身体も病む。「平衡感覚の乱れ」は、川尾の心と身体に癒えることのない痕跡を残してきたが、 墨という表現媒体を得た時、川尾は一人の表現者として蘇生した。「不安定、アンバランス、不調和、不協和」… 全てのマイナス要因はプラスに、「眩暈memai」の世界に差し込む一条の光として聖別され、 多くの孤独な魂に向って光り輝く。