趙孟頫の心経を台北の故宮博物院で購入し4年前に臨書したものを、立入好和堂の村山秀紀さんにお願いして掛軸にしました。

2022.12.12

趙孟頫の心経を台北の故宮博物院で購入し4年前に臨書したものを、立入好和堂の村山秀紀さんにお願いして掛軸にしました。美しく表装してくださり本当に嬉しい。(10月に日本で撮影した写真です)
臨書していた頃には、まさか自分が台湾に長期滞在することになるとは思っていませんでした。さまざまなご縁が織りなす人生の不思議。
以下、4年前の臨書の感想。
基本的に方筆。筆速は全体的に遅め、偏から旁に移行する連綿線などは勢いと速さを求められるなど、字中での筆速の変化を感じた。直筆だけでなく筆を運ぶ方向に筆を傾ける俯仰法も多用。また、筆に含む墨量の調整も重要であった。文中に是は9回、無は21回登場するが、造形、字中の線の太細、起送収などの筆法により、見事に差異を生み出しているところも注目したい。趙孟頫が臨書し復興させたという王羲之の豊かな筆運びが随所に散りばめられている。細字としては、智永の真草千字文を学んだ後に、趙孟頫の心経や赤壁賦を。その後、王羲之に進むという順序も悪くない。
漢字の文書の中で書かれた数は世界最多の心経を、意味の解読をしながら心静かに集中し一気に書き上げることは、書を学ぶ者として一つの有意義な経験になるであろう。