奈良の唐招提寺で行われる中興忌梵網会(うちわまき)のうちわを奉納させていただきました。

2020.05.19

奈良の唐招提寺で行われる中興忌梵網会(うちわまき)のうちわを奉納させていただきました。今年は法要のみ行われるそうです。
思いやりに溢れた由来も素敵なので(下に説明してます)、書かせていただけること、私自身は7年目になりますが、毎年嬉しく、ありがたく思います。
今年書かせていただいたのは「山川異域 風月同天 寄諸仏子 共結来縁」
私たちが生まれた国土は異なるが、風や月は同じで天空の境界はない、袈裟を僧侶に寄進し、縁を結ぼう。
この言葉は、日本の長屋王が唐に送った千着の袈裟に刺しゅうされていた一文で、これに心を動かされた鑑真和上が、死を覚悟で日本に行く決意を決めたと言われています。
今わたしたちは、離れていても同じ天空の風や月を感じながら、同じ目標を持って協力し、ご縁を結ぶときだと深く思います。1250年前の素敵な言葉を、願いを込めて書かせていただきました。
※写真は奈良ひがしむき商店街に展示していただいているものです。右隣は、光明皇后が描かれただるま商店さんのうちわ。隣でうれしいな。
●うちわまきの由来
大悲菩薩覚盛上人(だいひぼさつかくじょう)の持つあるエピソードに由来します。
 そのエピソードとは、覚盛上人が、修行をしている際に蚊に刺されてしまっている姿を見た弟子が、その蚊を叩き潰そうとした際に「自分の血を蚊に与えるのも仏の道である。」とおっしゃったというエピソードです。
 そんな厳格に仏道に邁進する上人が亡くなった後、そのエピソードに基づき、せめて蚊を叩かずとも「扇子」で払ってあげよう。ということで、「ハート形」のユニークなうちわを「法華寺」の尼僧の方が上人の功績を偲びながらお供えしたことがこの行事の由来であると言われています。